2020年は、以前に比べて在宅ワークをする方が増えたことから、自宅の快適性を求める方が増加しています。確かに、通勤をしていると、自宅にいられる時間はどうしても限られてしまいます。平日は寝るためだけに自宅に帰るという方もいたでしょう。
一方、通勤を伴わない在宅ワークでは、ほぼ1日中家にいることになります。だからこそ、これまで以上に家の快適さは重視されます。仕事に熱中するため、そして何より疲れた心身をゆっくりと休めるために、これから家を建てる予定の方は、ぜひ自宅の快適さにこだわった設計をしてください。
今回は、快適さに関わる条件の1つ、“音”に関する話をします。
集合住宅に住んだ経験がある方は分かると思いますが、生活の中で出る“音”は意外と気になるものです。ちょっと力が入って強くドアを閉めてしまった時や、重い物を落としてしまった時など、「隣の人に迷惑じゃなかったかな…?」と不安になったことはありませんか?反対に、隣室の物音が気になったことがある方もいるでしょう。
このような音の悩みは、集合住宅特有のものではありません。戸建ての住宅でも、音に悩まされることがあります。例えば、建物の前に道路がある場合、車が通るたびに大きな音がします。車が通らなくても、大勢の人が大声で話しながら通る可能性もありますね。賑やかな地域に住んでいると、特に他人の話し声は気になりがちです。
音を気にせず、快適に毎日を過ごすためには、防音性を高める設計を取り入れた家がおすすめです。
防音性の高い家は、音の悩みを解決するだけではなく、趣味の範囲を広げることもできます。特に、大きな音を出すような趣味を持っている方は、家の防音性を高める他、「防音室」を作ることもおすすめします。
防音室は、防音材を使って部屋の中から音が漏れないように工夫されています。高級邸宅によく導入されている部屋で、中には地下に防音室を設けた「地下防音室」を持つ邸宅もあります。
通常、家の中で楽器を演奏すると、家の外にまで音が漏れてしまいます。そのため、音楽が好きでも自宅では楽器の演奏ができないという方もいるかもしれません。防音室があれば、自宅でも楽器を演奏することができます。1人での演奏はもちろん、同じく楽器の演奏が趣味の友達を呼んで、合奏をすることも可能です。
他には、防音室があれば、大音量での映画鑑賞も楽しめます。アクション映画のように、迫力のある映画は激しいBGMや効果音など、大きな音が伴いがちです。防音室ならば、そのような大きな音が出る映画も、近所の方に気を遣わずに大音量で鑑賞することができます。
防音室つきの住宅は、例えばセンチュリーデザインオフィス(CDO)というデザイン会社が、過去に建築した事例があります。防音室つきの家づくりを検討している方は、相談してみてはいかがでしょうか。
【世紀を超えて愛されるCDOの高級邸宅】
防音室を作らなくても、防音性を高めれば、イヤホンをせずにスピーカーで音楽鑑賞をできたり、友達を呼んでおしゃべりができたりします。快適なだけではなく、日々を満喫するためにも、防音性の高い家はおすすめです。
最後に、家の防音性を高めるポイントを紹介します。家の設計について考える際の参考にしてください。
家は、建物の密度(気密性)が高いほど音を通しにくくなるため、防音性が高くなります。一般的な住宅に使われる構造には「RC造(鉄筋コンクリート)」「鉄骨コンクリート」「木造」がありますが、このうちもっとも気密性に優れているのは、構造の内部がコンクリートで満たされているRC造です。
ただし、鉄骨コンクリートや木造も、断熱材を使うことで、RC造に劣らないくらい密度を高めることが可能です。
デザイン性や熱伝導率などの理由から、RC造ではなく鉄骨コンクリートや木造の家を希望する場合も、前述の通り断熱材を使うなどして気密性を高めることで、防音性もアップします。
気密性を測る指標に「C値(隙間相当面積)」があります。C値が低いほど気密性が高いことを表していて、現在の日本では家を建てる際に用いられていませんが、海外の基準では、0.5㎠/㎡未満だと気密性に優れていることになるそうです。この海外の基準を標準仕様にした家を建てているハウスメーカーもあります。
内窓とは、いわゆる「二重窓」のことです。窓ガラスを2つ並べて設置することで、2枚のガラスの間に空気の層ができ、防音性を高めることができます。
より防音性を気にする場合、一般的なガラスよりも防音性に優れた「防音ガラス」を使うことをおすすめします。2枚のガラスを貼り合わせることで遮音性を高めているガラスで、いっそう家の中まで音が届きにくくなります。交通量が多い大通りの前に家を建てる場合などにおすすめします。
家の中が静かならば仕事に集中でき、夜もしっかりと眠ることができます。音によるストレスがなく、空いた時間もリラックスして過ごせるため、こちらで紹介した設計のポイントを取り入れて、ぜひ防音性の高い家を建ててくださいね。